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大好きなマルグリット・ユルスナール


私の大好きな作家の一人、マルグリッド・ユルスナールの
『ハドリアヌス帝の回想』

ローマ五賢帝の一人、ハドリアヌスが自分の死期が近いことを予感し
次期皇位継承者であるマルクス・アウレリウスへの書簡という形で
ハドリアヌスの内面を綴っていく形式で進められた小説。

でもこれが小説とは思えないほど、一度読んだら引きこまれてしまう。
まるでハドリアヌス自身が現代の私たちに一冊の自伝として残してきたもののように。
というよりハドリアヌスが治めたローマにタイムスリップしたように。
ユルスナールが書いたんだってことを忘れてしまうくらい。

ただの想像に頼らず、決して歴史的時間を追って書かれたものでもない、
作者ユルスナールが20代のころからハドリアヌスの生涯を書きたいと
構想し始め、40代の円熟期に膨大な時間を費やして書かれた作品。

何度読んでも圧巻させられる。
どうしたらこんな文章が書けるのかと思うくらい、高尚な文体である。
また多田智満子氏の訳も素晴らしい。
私たちが海外文学を読むとき、原文の文体に見合わない翻訳ものも世に沢山ある中、
ユルスナールの文体が多田さんの肌に合っていたからこそ、
これだけの本を翻訳できたのではないだろうか。
読んでいて違和感がなかったのだ。



何度も読み返すうちに、いままで見えなかった世界が開けるし、
次に読んだときはもっともっとローマの事、ハドリアヌスの事を知った上で読んで行くと
ほんの少しだけ著者の心を垣間見ることができるかもしれない。



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by erikok0826 | 2015-12-27 16:03 | 出来事/ひとりごと | Comments(0)
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日々の生活の雑記


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